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住宅ローン減税(控除)を受けるには

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築20年超の中古住宅購入時でも、住宅ローン控除が受けられます。


住宅ローン減税・控除とは何か

住宅ローン減税・控除制度の概要

わかりやすく言うと、住宅ローンを払い始めてから10年間は所得税や住民税が安くなるという制度のことです。
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、ローンの一部に相当する金額が所得税や住民税から控除される制度のことをいいます。(確定申告により年末ローン残高の1%が10年間所得税や住民税から控除)

住宅ローン減税・控除される金額は?

この制度を知っていると…?

最大40万円/年10年間で400万円 得することができます!

制度拡充

住宅ローン減税の制度は、消費税率の引上げにあわせて、下記のように拡充されています。

適用期日 ~2014年3月 2014年4月~2021年12月
最大控除額(10年間合計) 200万円(20万円×10年) 400万円(40万円×10年)
控除率、控除期間 1%,10年間 1%,10年間
住民税からの控除上限額 9.75万円/年(前年課税所得×5%) 13.65万円/年(前年課税所得×7%)
主な要件
  •                       床面積が50㎡以上あること
  •                           借入金の返却期間が10年以上であること
住宅ローン減税の控除額

住宅ローン減税の控除対象は下記の3つのうち、最も小さいものとなります。

  •  所得税+住民税額
  •  1年間の最大控除額(40万円)
  •  借入残高の1%

「所得税+住民税額」は収入が上がれば年ごとに増えていきます。借入残高の1%は返済していけば年ごとに減っていきます。ですので、一般的には、最初は「所得税+住民税額」が控除対象となり、その後は最大控除額が控除対象に、そして返済が進めば、借入残高の1%が控除対象となる場合が多いようです。

消費税が増税したら

住宅ローン減税・控除の制度が拡充されたため、消費税が10%に引き上げられた場合でも、最大控除額の変更はありません。

住宅ローン減税・控除の要件は?

新築も中古物件も要件を満たせばOK

5つの共有要件

居住要件

新築または取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること

住宅ローン減税は、購入した住宅に住んでいることが条件になります。住宅が2つ以上ある場合は1つにしか適用されません。また、「取得」とは契約ではなく、引渡しであることに注意が必要です。居住の証明は、住民票や公共料金の請求書にて行うことができます。

所得要件

この特別控除を受ける年分の合計所得金額が、3千万円以下であること

1年間の合計所得(≠年収)が3千万円を越えると、その年はローン控除が受けられなくなってしまいます(退職金など一時的に多額の収入時に注意)。3千万円を越えるたび、本来であれば10年間受けられる控除が9年、8年・・・と適用年数が少なくなってしまいます。10年間という期間は固定で、自己の合計所得金額が3千万円を越える年のみ控除が受けられないと考えれば分かりやすいと思います。所得は源泉徴収票の提出により証明します。

面積要件

新築または取得した住宅の床面積が50平方メートル上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること

上記のようにある程度の面積が必要となります。床面積は登記簿に表示されている床面積により判断しますが、マンションの場合は登記簿上の専有部分の床面積で判断します。店舗や事務所等と併用の場合もあるかと思いますが、その場合は店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断することができます。夫婦や親子などと共有する住宅の場合は、他の人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断(※マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合、区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断)します。この要件は、登記簿証明書によって証明できます。

支払い方法要件

10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築または取得のための一定の借入金または債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地などの取得のための借入金などを含む)があること

簡単に言うと、ローンの返済期間が10年以上の場合のみ、住宅ローン減税が適用されるということです。ただし勤務先から借りる場合には、無利子または0.2%(平成28年12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金は住宅ローン減税の適応することができないので、要注意です。また、親族や知人からの借入金は全て住宅ローン減税が適応外になります。融資額残高証明書にて、この支払い方法の要件を証明することができます。

他制度未適用要件

居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例など(租税特別措置法31条の3第1項、35条1項(同条3項の規定により適用する場合を除く)、36条の2、36条の5もしくは37条の5または旧租税特別措置法37条の9の2)の適用を受けていないこと

この要件は初めて住宅を購入される方には関係ないものになります。住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていると、住宅ローン減税を適応することができないという要件になります。

中古物件のみの追加要件

中古要件

築年後使用されたものであること

築年数要件or耐震要件

※築年数要件か耐震要件のどちらかを満たしていたら大丈夫です

築年数要件

家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること

あまりにも築年数が経っている物件は住宅ローン減税の適応外になるという要件です。マンションなどの耐火建築物の場合には、「築25年以内」に要件が緩和されます。耐火建築物とは登記簿の構造に「石造」、「鉄筋コンクリート造」、「鉄骨造」などと記載されている建物のことで、軽量鉄骨造は「築20年以内」の方なので注意が必要です。こちらも登記簿証明書により証明できます

耐震要件

地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準またはこれに準ずるもの(耐震基準)に適合する建物であること

耐震基準適合の証明のためには耐震基準適合証明書、または建設(既存)住宅性能評価書(等級1~3級)または既存住宅瑕疵保険の付保証明書が必要で、住宅取得日の前2年以内のもののみ有効です。上記書類がない場合は、宅売買瑕疵担保責任保険契約の証明書でも耐震基準適合を証明することができます。これらの書類は住宅の引渡し前のものでなければ認められないので、住宅購入前に確認するようにしましょう。耐震基準適合証明書発行のためには建築士による診断が必要なので、まずは相談してみましょう。また、平成26年4月1日以後に取得した中古住宅の場合、居住までに耐震改修工事を申請し、耐震基準適合を証明することができるなら本要件はクリアしたことになります。

既存住宅売買瑕疵保険を利用すると…

【メリット①】築20年超の中古住宅購入時でも、住宅ローン控除が受けられます。

個人間売買の中古住宅購入の場合、通常は対象外となる築20年以上の建物でも、年で最大 20万円が所得税から控除されます。入居したその年から10年間で最大200万円の住宅ローン控除が受けられます。

  • ※減税額は年収や扶養家族、借入金額、ローン金利、返済年数などで変化します。
  • ※保険加入諸費用は申請代行費+保険料(100m²未満)で試算しています。

【メリット②】購入後、万一、瑕疵が見つかっても大丈夫!

  • ※保険金は「保険金=(修補費用等-5万円)×100%」にて試算。(一般社団法人住宅瑕疵責任保険協会の指標を引用)

◆耐震基準適合証明書を利用すると…

【メリット①】築20年超の中古住宅購入時でも、住宅ローン控除が受けられます。

耐震基準適合証明書を取得した場合も、通常は対象外となる築20年以上の建物でも、年で最大 20万円が所得税から控除されます。入居したその年から10年間で最大200万円の住宅ローン控除が受けられます。

  • ※減税額は年収や扶養家族、借入金額、ローン金利、返済年数などで変化します。
  • ※保険加入諸費用は申請代行費+保険料(100m²未満)で試算しています。
取得要件

取得のときに生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などからの取得でないこと

この要件は、例えば夫が住宅ローン減税を受けた後、妻に中古物件として売り、妻も住宅ローン減税を受けるのを阻止するものです。

非贈与要件

贈与による取得でないこと

贈与ではなく、購入であることが住宅ローン減税を受けるための要件となります。

増築・リフォームでも活用できます

対象となる増築・リフォーム工事
  • 増改築、建築基準法に規定する大規模な修繕又は大規模の模様替えの工事
  • マンションの専有部分の床、階段又は壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事
  • 家屋のうち居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関又は廊下の一室の床又は壁の全部について行う修繕・模様替えの工事
  • 耐震改修工事(現行耐震基準への適合)
  • 一定のバリアフリー改修工事
  • 一定の省エネ改修工事


住宅ローン減税・控除を計算・シミュレーションする

シミュレーション事例

(国土交通省 すまい給付金 を基に作成)

<設定条件>

  •  家族 :夫、妻、子供(2歳)
  •  収入 :夫(675万円)(課税所得:344万円)
  • 住宅価格:5000万円(うち、借入4,250万円)
  •  金利 :2%(固定)
  •  返済 :元利均等35年
  • 購入時期:平成30年6月(消費税率8%)

住宅ローン残高

時期(年末) 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027
残高 4,208 4,122 4,035 3,946 3,855 3,762 3,668 3,571 3,473 3,373
残高×1% 42.08 41.22 40.35 39.46 38.55 37.62 36.68 35.71 34.73 33.73

所得税額(10年間で2割年収が上がると仮定)

時期(年末) 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027
年収 675 688.5 702 715.5 729 742.5 756 769.5 783 796.5
所得税額 26.05 28.21 30.37 32.53 34.69 36.85 39.01 41.17 43.33 45.49
控除対象住民税額 13.65 13.65 13.65 13.65 13.65 13.65 13.65 13.65 13.65 13.65
所得税額+控除対象住民税額 39.70 41.86 44.02 46.18 48.34 50.50 52.66 54.82 56.98 59.14

結果、実際の控除額は下記の赤字部分となります。

時期(年末) 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027
限度額 40 40 40 40 40 40 40 40 40 40
残高×1% 42.08 41.22 40.35 39.46 38.55 37.62 36.68 35.71 34.73 33.73
所得税額+控除対象住民税額 39.70 41.86 44.02 46.18 48.34 50.50 52.66 54.82 56.98 59.14

10年間の総控除額:376万円

実際にシミュレーションしてみる

住宅ローン減税額のシミュレーションはこちらから

住宅ローン減税・控除を受けるための手続きと必要書類は?

手続きフロー

住宅ローン減税は、入居した翌年の確定申告時に、税務署に必要書類を提出します。給与所得者の場合は2年目からは勤め先にローンの残高証明書を提出することで、年末調整で控除を受けることができます。

住宅の取得 → 入居(6ヶ月以内) → 添付書類の依頼・入手 → 入居の翌年の確定申告時に申請

必要書類

添付資料 入手・依頼先 確認事項
住民票の写し 市区町村 自ら居住(6ヶ月以内)
残高証明書 金融機関等 住宅ローン残高
登記事項証明書

請負(売買)契約書等

法務局

本人

取得年月日

①住宅取得の対価の額

②床面積(50㎡以上)

給与等の源泉徴収票等 職場 所得税額等
(中古住宅の場合)下記のいずれか

耐震基準適合証明書

既存住宅性能評価書

既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書

 

建築士等

登録住宅性能評価機関

住宅瑕疵担保責任保険法人

 

耐震性を有すること

詳しくは国税庁のホームページをご覧ください


住宅ローン減税・控除とふるさと納税

住宅ローン減税とふるさと納税は併用できる

住宅ローン減税とふるさと納税は、どちらも所得税・住民税を控除できる制度です。多くの場合、住宅ローン減税制度を利用していても、ふるさと納税でも控除を受けることができます。住宅ローン減税分の住民税からの控除額には上限があるため、その残りの住民税をふるさと納税分で全額控除することができます。

ふるさと納税でも控除を受けるには、 「ワンストップ特例制度」を利用します。そのため、住宅ローン減税の利用を開始する1年目の方は確定申告を行う必要があるため、ワンストップ特例制度は利用できません。しかし、2年目以降はほかに確定申告すべき項目がなければ、ワンストップ特例制度を利用できます。

ふるさと納税ワンストップ特例制度について

住宅ローン減税・控除のよくある質問

住民税から控除を受けるために必要な手続きはありますか。

特段ありません。

夫婦2人で共有名義にする予定です。2人とも住宅ローン減税の適用を受けることはできますか。

2人ともローン減税の適用を受けることができます。

住宅と一緒に購入する敷地に対するローンも、住宅ローン減税の対象になりますか。

住宅ローン減税の対象になります。

中古住宅も住宅ローン減税の対象になりますか。その際、新築住宅と異なる点はありますか。

中古住宅も住宅ローン減税の対象です。控除対象、借入限度額や控除期間・控除率も同じです。なお、築25年(耐火建築物)又は築20年(非耐火建築物)を過ぎた中古住宅の場合は、耐震基準適合証明書などによる耐震性の証明が必要です。