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床下インスペクションで家の劣化がわかる!調査内容を知っておこう

住宅の中でも、床下は建物の目に見えない劣化が多く潜んでいる箇所です。

せっかく購入した中古住宅の劣化が進行して、建物の耐久性が低下する前に、購入前の床下インスペクションで劣化を発見し、早めに修繕リフォームなどを行った方が良いでしょう。

この記事では、床下インスペクションで行われる調査の内容や、床下インスペクションを行うべき理由について解説します。

床下のインスペクションを行うべき理由

「インスペクション」とは「診断」「検査」のことで、不動産業界では、劣化や欠陥が起きていないか建物全体を調査する行為を指して使われており、住宅診断、または住宅検査とも呼ばれています。

中古住宅を購入する時は、瑕疵(かし…建物の欠陥)が起きている住宅を売買しないように、購入前のホームインスペクションの実施が推奨されていますが、床下は住宅の中でも特に重点的にインスペクションを行うべき箇所と言えるでしょう。

床下のインスペクションが欠かせない理由は、調査によって以下のことがわかるためです。

建物の構造に問題がないか

床下に入って建物の内部を調べることによって、

  • 建物の強度低下が起きていないか
  • 構造に問題がないか
  • 法のルールにもとづいて施工されているか

などを発見できます。

住宅は、中に住む人が安全に暮らせるよう、丈夫に造られていなければなりません。

しかし住宅の中にはまれに、建築基準法のルールや強度計算を無視して施工されているものが紛れていることも事実です。

購入する中古住宅が安全性や強度を十分守って建てられているかどうか、購入前に床下のインスペクションでも調べておきましょう。

建物内部に劣化が起きていないか

床下内部では、床下に溜まった湿気によって構造材の腐食や結露、シロアリ被害などが起きている可能性があり、長期間放置すると建物の強度低下や室内への腐食などに繋がる恐れがあります。

床下インスペクションを行うことによって、構造上の問題だけでなく、床下で起きている劣化について現状を報告してもらえます。

リフォームの必要性があるか

床下で起きている劣化の中には、リフォームが必要なほど危険な劣化もあれば、リフォームするまでもない軽度な劣化もあります。

しかし、住宅の構造に詳しくない人では、劣化に気づいても、早急にリフォームすべき劣化か、リフォームするほどでもない劣化かまでは判断できません。

インスペクションは住宅の構造や劣化に詳しい専門家が行いますので、床下で起きている劣化のチェックだけでなく、今すぐにリフォームの必要性があるかについても診断してもらえます。

床下点検でチェックする箇所と点検内容

床下インスペクションのチェック箇所は非常に沢山ありますが、いずれも家の耐久性を支える重要な箇所ばかりですので、調査箇所と調査の目的を理解しておきましょう。

基礎の状態

建物を支える重要な基礎部分のインスペクションでは、

  • 構造材を繋ぐ金具にゆるみや外れがないか
  • 湿気で構造材にカビや錆びが生じていないか
  • コンクリートに幅5mm以上の「構造クラック(ひび割れ)」が生じていないか
  • コンクリート内部の鉄筋が錆びて露出していないか

などが点検されます。

万が一、家に住んでいる時に基礎に劣化や不具合が見つかり、リフォームを実施することになった場合、リフォームのために仮住まいへ引っ越さなければならず、生活に大きな負担が招じるでしょう。

また、基礎部分のリフォームは、内外装材の撤去や構造材の補強など、広範囲で様々な工事が発生するためリフォーム費用も決して安くありません。

住んだ後に家の重大な欠陥が見つかって慌てないためにも、住む前のインスペクションで、基礎の状態を確認しておきましょう。

換気口

住宅の基礎に使われるコンクリートは、床下に湿気が溜まらないよう「換気口」が取り付けられており、建築基準法でも取り付ける換気口の大きさや間隔が指定されています。

床下インスペクションでは、換気口の取り付けが十分かどうかに加えて、正常に換気が行えている状態かもチェックされます。

なお、「基礎パッキング工法」という、土台のコンクリート部分に換気口を空けず、土台のコンクリートと建物のあいだにパッキンを挟んで換気を行う工法で建てられた住宅に関しては、インスペクション時にパッキンの取り付け漏れや劣化具合などがチェックされます。

排水管

排水管が老朽化していないかだけでなく、正しく取り付けられているかについても床下からチェックします。

一見不具合がないように見えても、排水管が適切な勾配で取り付けられなかったために、生活排水が正常に流れず詰まってしまうような欠陥住宅もありますので、床下の点検時に排水管も必ずチェックしておかなければなりません。

断熱性

せっかく断熱材を床下に充填しても、断熱材同士に隙間があったり、壁や床から剥がれて機能しなくなったりしていては、断熱効果は大きく低下してしまいます。

床下インスペクションを行うと、グラスウールなどの床下の断熱材が、家の断熱性を保てるよう適切に設置されているか、床下内部の湿気によって腐食していないかなどを調べてもらえます。

防水性

床下の防水性調査では、換気機能が低下したり、外壁がひび割れたりして、床下内部に雨漏りや結露が起きていないかなどを調べます。

木材に関しては、「水分計」などを使って水分を多く含みすぎていないか調べ、床下内部の湿度を入念にチェックします。

床下内部の換気が十分に行えていないと、溜まった湿気が床下内部で水溜りになったり、構造材を腐食させたりすることがあり、ひどいケースでは、防水性が失われた状態で放置されたために、基礎の強度が低下してしまいかねません。

家を長持ちさせるためにも、床下の防水性はできるだけ早めに補修することが大切です。

床下のインスペクションを行う時の注意点

住宅診断を行うことによって、建物の重大な欠陥を早期に発見できます。

より充実した住宅診断にするためにも、インスペクションの実施前に、以下の点について把握しておきましょう。

床下インスペクションにはグレードがある

床下のインスペクションは、

  • 点検口から見える範囲のみ、または点検口からカメラを入れて調べるプラン
  • 床下の中にインスペクターが入って、床下全体を直視して調べるプラン

のいずれかのグレードを選ぶことになりますが、住宅の現状を知るためには、床下全体をインスペクター(住宅診断士)が直視して調べるプランを選んだ方が良いでしょう。

点検口から見える範囲だけカメラで確認しても、隠れて見えない部分が多く、重大な劣化を見逃してしまう恐れがあります。

特に、床下はふだん目にすることができない部分ですので、可能な限り床下に潜って調べてもらうことをおすすめします。

床下に入れない家のインスペクションはどうやって行う?

床下のインスペクションは、インスペクターが点検口から床下に入って行いますが、点検口がなくても床下収納などから床下に入ることも可能です。

しかし、まれに床下への入り口がない構造の家もあり、このようなケースでは床材を一部撤去して、見える範囲のみ調査を行います。

しかし、点検口から床下に潜って行う調査に比べると、見える範囲のみの点検は調査が行き届かないため、インスペクションを十分に行えません。

何より、床下の点検口が儲けられていない造りの家は、将来のメンテナンスに配慮して建てられたとは言えず、施工不良の可能性も大いにありえます。

さらに、点検口が設けられていないということは、これまでも床下の調査が行われて来なかったとも考えられ、腐食や漏水といった何らかの不具合が生じている恐れもあるでしょう。

購入を検討している家が、床下点検口が設けられておらず床下インスペクションが行えなかった場合、購入は見送った方が賢明かもしれません。

おわりに

中古住宅を購入する前に、建物全体のインスペクションを行うことによって、購入予定の建物の耐久性や劣化具合、リフォームの有無などを把握することができます。

特に、住宅の基礎である床下は、可能な限りインスペクターに入ってもらい、床下全体の現状を報告してもらった方が良いでしょう。

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